『あと一回』で道を切り開く - 試行錯誤と成功の軌跡
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試行錯誤がもたらした最初の成功
僕が20年間にわたって趣味として続けてきたIT分野の取り組みが、結果的に起業へとつながった背景には、試行錯誤を諦めない姿勢がありました。
その原点は、高校時代にさかのぼります。 パソコンを使い始めたばかりの頃、友人から借りたゲームを遊ぼうとしたところ、MS-DOSというWindows以前のOSで動くものでした。メモリ設定や起動時のパラメータ調整が必要で、当時の自分には難しく感じました。
当時はまだインターネットにつながっていなかったので、本屋に通いパソコン雑誌や技術書を読み漁りました。そうして得た知識で、手探りで設定を変えるうちに、OSが動かなくなったり、再インストールが必要になったりと、トラブルが絶えませんでした。正直、何度も諦めかけましたが、それでも続けているうちに設定の意味やOSの仕組みが少しずつ理解でき、ついにゲームを起動できたのです。
この体験は、後に問題解決へ取り組む際の基盤となり、小さな成功が粘り強く挑戦する心構えを支えてくれました。
失敗が育む成長のサイクル
新しいスキルを身につけたり未知の領域に踏み込んだりすると、どうしてもエラーや「うまくいかない」場面が生まれます。こうした状況は、問題解決力を引き出すきっかけになり、一つひとつ解決するたびに「これが正解かもしれない」という内なるモデルが形成されます。これは学習理論でいうフィードバックループと呼ばれる仕組みで、経験から学びを積み重ねる基本的な流れと考えられます。
試行錯誤を積み重ねて得た専門性
社会人となり、ITエンジニアとして働き始めた頃、社内では誰も使ったことのない最先端のクラウド技術を扱う仕事を任されました。当時としては新しく、不安な部分もありましたが、学生時代に試行錯誤を重ねた経験が背中を押してくれました。設定を見直し、ドキュメントを丹念に読み込み、システムの動作原理やアーキテクチャを徹底的に理解し続けた結果、その後はこの技術分野で参画するプロジェクトにおいて、常に高く評価してもらえるようになりました。
「あと一回だけやってみる」が新たなステージへの鍵
小さな挫折や失敗の積み重ねは手間がかかり、心身に負担がかかることもあります。ただ、その繰り返しがスキルを磨き、自分らしい強みを育てる土台になっていくと考えています。もし今、行き詰まりを感じているなら、もう一度だけ試してみてください。その「あと一回だけ」の試行錯誤を続けていく中で、積み重なった経験が新たな一歩を支える後押しになるかもしれません。